本当にどうでもいい話だよ!












ハリーさんの日記とこで、コーヒー・紅茶のカフェインの話で根に持っていろいろ気になったのでチラチラ調べてた。その備忘録

・コーヒー、紅茶では紅茶のがカフェインが多い?

厚生省労働によると
ttps://www.fsc.go.jp/factsheets/index.data/factsheets_caffeine.pdf
コーヒーのがカフェイン含有量は多い

対して、ちょうどいいソースは見つからなかったが「茶葉・豆(要するに飲料に加工する前)に関しては紅茶の方がカフェインのほうが多い」というのは散見した

まあ、結論としては「素材としてはカフェインは紅茶の方が多いが、一般的な抽出ではコーヒーのほうがカフェインが多い」が妥当なとこだと思う。
まあそもそも、コーヒー・紅茶ともに品種でカフェイン含有量かなり違うだろう上に一般的な抽出法ってなんだよ、って話なので、全部いっしょくたにするのがナンセンスでもあるのだが・・・。

個人の体感的にも、アメリカンコーヒーとエスプレッソが同じカフェイン量だとあまり思えないので差はでかそう


さて、こっからが本番
分子化学知識ない人にはブラウザバック推奨だし、正直俺もにわか知識レベルなので間違いだらけかもしれない

・紅茶はタンニン類とカフェインが結合するので、カフェインの効果は下がる

これ。いや知らなかったけど、クリーミング現象とかいって一般的な現象なのね。知らんかったわ
でもこれ、本当に吸収率下げてんの?と疑問に思った(なぜ疑問に思ったのかは後述)

さて、どういう反応で結合するのか(熱上げたり、一気に冷やすだけで防げるらしいので可逆的な反応・錯体あたりだろ、とは思っていたが)をいろいろ検索してみた

妥当そうなのはこれ

カテキン類・カフェイン錯体の立体化学構造と分子間相互作用  堤 広之

論文かよ!読むのクソめんどくせえな
まあ必要なところだけ抜粋

>>2.4.GCg・カフェイン錯体の分子間相互作用1:2 GCg
・カフェイン錯体中に働く分子間相互作用としては、GCgのA環、B’環とカフェインの六員環が重なり合った間にface-to-face π-π相互作用、GCgのA環、B’環とカフェインの六員環が少しずれて重なり合った間にoffset π-π相互作用が形成されていることが判明した。また、 B’環とB’環の間に挟まれたカフェインのメチル基 N7-CH3とB環(N7-CH3とB環の距離は3.281Å)はそれぞれ向かい合い、その間にはCH-π相互作用が形成されていることも確認されている(Fig. 6)。

まあやっぱ錯体だよね。
錯体な以上、平衡で成り立っており、Phやその他条件で錯体生成されるかどうかで決まる

例えば、紅茶が濁る(=クリーミング現象)を防ぐ手法として、砂糖を加える、硬水を選ぶ、急冷する、が一般的に紹介されているがこれらは錯体形成を防ぐ手法と思う

急冷は俺の知識ではわからないが、砂糖を加える=自由な水素結合を減らす、硬水を選ぶ=金属イオンを加えることで、相対的にタンニンとの錯体を減らす、あたりなはずなのでこのあたりの推測は正しいはず


んで、問題となるのはpH
本当に吸収するときに錯体維持されてる=ちゃんと吸収阻害されてんの?


カフェインの吸収は、小腸なので、そのときのpHは弱塩基性。このときのpHで果たして錯体は維持されるのか?
紅茶は言うまでもなく弱酸性であり、(少なくとも俺の知識では)今回の錯体形成を行うのに有利な条件
なので食道~胃ではタンニンーカフェインの錯体は維持されると思われるが、吸収時に果たして錯体維持されたままなのか?  コレガワカラナイ

悪あがきに、クリーミング現象に対してpHを塩基性にすることで元に戻るかどうかを検索もしてみたが見つからない。むむむ

よりやっかいなのが、紅茶はpH変化させると大規模な色の変化が起こるということ
紅茶 の水 色 変化 にお け るpHおよび有 機 酸 の影 響  下橋 淳子 寺田 和子
また論文かよ、ファック
色調変化がメインでクリーミング現象への示唆はなく、欲しい情報は得られなかった。


化学構造から、おそらくpHを塩基性にすると錯体はなくなる方向に移るはずなのだが、弱塩基程度でなくなるのか、どの程度なくなるのか コレガワカラナイ


というとこでストップ。悲しい。
実際どうなんやろなあ。
確かに個人の体感上、紅茶のほうが眠気覚ましとしては弱く感じてはいるんだがそれは果たしてカフェインの含有差なのか、タンニンによるリラックスの効果なのか、錯体によるカフェイン吸収阻害なのか、結局結論つかず。残念




もう一つ、これをチラチラ調べてて得た疑問を一つ


鉄剤と紅茶を一緒に飲むとタンニンの作用で鉄の吸収が減る、というのは知ってたのだけれど、これはまた条件が異なる

まず前提として
自然界の鉄は基本Fe3+で存在するが、人間が吸収するのはFe2+(吸収部位は十二指腸~小腸上部)

じゃあどうやってFe2+にするの?というとこれは胃酸の作用。
特異的な酵素の手伝いもあるが、強酸下によってFe2+にしてから小腸に送り込み、吸収させる

なので、胃酸条件下で錯体になると(Fe3+が反応するのを防がれるため)、吸収がされにくくなる
同じ理屈で、胃切除した人は鉄欠乏しやすいことは広く知られている


さて、ここまでは事実なんだが
なんか、この事実から
「錯体を形成する」=「吸収阻害する」
の図式が一般化されてないか?という疑問を持った

鉄の例でいうと、クエン酸第一鉄っていう薬(初めからFe2+にして、吸収を促進する。胃切除後の鉄欠乏予防でよく使われる)があって
その薬にも「in vitroの試験で錯体形成するから紅茶とかといっしょに飲むな」と書かれているのだが


このin vitroってどういう条件なんだろう?in vivoならまあ納得するが、胃酸条件下から小腸の条件下にうつしての試験もされてるの?
胃酸下では確かに錯体を形成しやすい条件がそろってるけど、その後、弱塩基性下では本当に錯体維持されるの?
もし、小腸の条件では錯体がなくなるなら、たいした吸収阻害にはならないと思うが・・・

また、例にあげた鉄の場合は化学変化が吸収に必要なので錯体は大きな影響を与えるが、特に吸収に化学変化が必要ないものも(小腸で錯体がなくなる場合)、胃酸条件下での錯体は吸収阻害するものなのか?


というわけで、部分の、新たに出た疑問がいずれ解決することを願って、備忘録として記載

もし、暇人でこれを読んでくれた人がいて、かつこの手の分野に知見があり答えを教えてくれる人がいたらぜひご教授してください(どんな確率だよ)
知識のツギハギでの考察なので、間違いの指摘も助かります

コメント

nophoto
とおりすがり
2021年5月23日12:53

全く詳しくないですが素人視点からすると
そもそも食料費の健康に関する情報は

卵は1日1個まで→1日何個でも問題無い
全粒粉小麦は健康に良い→そもそも小麦は健康に悪くてダメ(糖質カット)
野菜オンリーが健康に良い→肉も食べないとダメ

とか朝令暮改が過ぎるので
正直もう各個人が食べたいものを食べれば良いんじゃね?感があります

まつかさ
2021年5月23日12:57

いやまあ、そういう話ではなく化学・生理学的な事実を知りたいだけなので・・・


朝令暮改もまあ事実なんですけど、そうなる経緯もあるのは事実なので
なぜそういわれてるか、何が根拠で、どこまでが実験で明らかにしているのか、は明確にしときたいって話です。まあできないことの方が多いんでしょうけど

例えば卵の件は有名ですけど、これは交絡因子によるバイアスだときいてますし、私もそう思います
※卵1と卵複数のみの区別で調査したが、卵複数食うやつは他でもコレステロール過多な食生活をしていた

ハリー
2021年5月24日9:46

長期間の観察が必要な実証実験、原理的に対照実験ができないから最終的にはサンプル数を増やしていくしかねーしね

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